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ホウ酸亜鉛

難燃剤としてのホウ酸亜鉛

1.はじめに

難燃性付与には臭素又はりん系の使用が、プラスチック業界ではよく知られております。その性能を更に上げる為に、三酸化アンチモンがシナジストとして広範囲に使用されてきました。
最近では三酸化アンチモンの価格高騰及び有毒性の疑い等の理由により、ホウ酸亜鉛による一部又は完全代替が急速に進んでおります。
ホウ酸亜鉛使用処方に於いては、三酸化アンチモンでは得られなかった発煙及びアフター・グローの抑制、チャーの生成促進、ドリップ防止及び電気的特性の向上等の機能を付加する事が出来ます。
又最近の研究結果によれば、軟質塩ビ、PPO、HIPS及び他のポリマーアロイでの熱放出速度の低減が計れるとの報告がされております。

ホウ酸亜鉛はハロゲンフリーの処方に於いて、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリコンとの併用も可能です。
電線ケーブル
コネクター
配線部品

2.グレード及び特徴

  • Firebrake ZB(2ZnO・3B2O3・3.5H2O)
    水に不溶性で脱水温度は290℃と、ハロゲン系、非ハロゲン系の塩ビ、ナイロン、ポリオレフィン、エポキシ、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー等の難燃剤として多くの実績があります。
  • Firebrake 415(4ZnO・B2O3・H2O)
    脱水温度は415℃と非常に高温で、新規に特許取得したタイプです。高温での脱水時に発泡・絶縁性のチャーの形成を助けます。また、高耐熱ナイロン対して効果的な発煙抑制効果があります。
  • Firebrake 500(2ZnO・3B2O3)
    無水ホウ酸亜鉛で、特にポリマーの加工温度が290℃以上のエンジニアリングポリマー用に設計された商品です。
    本品はフルオロポリマーに於いて効果的な発煙抑制機能を発揮することが報告されています。
    又、ポリエーテルケトン、ポリサルフォンや他のエンジニアリングプラスチックに於いて放熱速度の低減に効果的であることも実証されています。
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